オプジーボ 高い薬の 代名詞
オプジーボ 高い薬の 代名詞
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商品名
成分名
効能効果
悪性黒色腫、非小細胞肺がん、腎細胞がん、などなど
名前の由来
Optional(最適な) + PD-1 +nivolumab(一般名)から命名
(医薬品インタビューフォームより)
どんなお薬?
とにかく高価
近頃巷で話題のノーベル賞受賞したお薬です。ついこの間までオプジーボが話題になると言えばとにかく「高価」であることでした。販売開始当初オプジーボによる治療1回あたりの薬価は100万円を優に超えていました。癌種や患者さんの体重にもよりますが(現在は体重に関係なく投与量が設定されています)非常に高価な薬剤であり、我々の職場もざわつきました。「医療業界の闇だ」なんて声もありましたが、ノーベル賞受賞が決まったとたんそんな話はどっか行っちゃいましたね^^;
高い薬は緊張する
我々薬剤師は抗がん剤を輸液にまぜまぜする「ミキシング」という作業をしますが、こんなに高い薬だと手元が震えます。(笑)オプジーボではありませんが、うっかり実習生の学生さんが高価な薬剤のミキシングを間違ってしまったときにはその場にいた薬剤師全員が凍りつきました。学生さんに罪はありません。。。よく見ていなかった薬剤師が悪いのですが。。。。。別に我々の給料から天引きされるわけでもないのですが・・・・。
「夢の抗がん剤」?
全く新しい作用機序の薬剤だった為か「夢の抗がん剤」なんて言われることもあります。ただ添付文書にも記載されているとおり「治癒切除不能な」とか「難治性の」がんに使われる薬剤なので、初発の患者さんには使われません。また、抗がん剤が「効く」というと癌がきれいさっぱり治ってしまうことを想像しますが、実際には生存期間が延びればそのお薬は従来のお薬よりも「効く」と判断されます。
注意点は?
副作用が少ないと言われていますが、現場で見ていてあまりそれは実感しないです。自身の免疫力を強めて癌細胞をやっつけるお薬ですので、免疫力が強くなりすぎたときに起きる反応が副作用として出現しやすくなります。あとは間質性肺炎やⅠ型の糖尿病を発症するという報告もあります。いずれにしても「副作用もなくどんな癌もよくなる薬」ではないです。
ふーちょの思い
ふーちょとしては、オプジーボは新薬ではありますが、「夢の薬」だとは思っていません。いいところもあれば悪いところもある、他のお薬とおんなじです。早くこのオプジーボフィーバーが去ってイーブンな視点で患者さん達にも見てもらえるようになるといいな、と思っています。